劇場版フルメモ!

3014年夏劇場公開予定です。

Tokyo 7th シスターズ 『Melody in the Pocket』について色々

鉄は熱いうちに打てということで、覚え書き程度のライブレポートを残しておきます。

今回はタイトル通り7/20開催の「Tokyo 7th シスターズ メモリアルライブ『Melody in the Pocket』」についての雑感です。僕自身はTokyo 7th シスターズ(以下ナナシスと記す)は2.5ライブで初のわりと新参ですが、ナナシスのライブは参加する度に得るものがある不思議なコンテンツです。2.5以降は3rdライブ全通、4Uのワンマンライブには不参加といったかんじです。

前置きが長くなりました。それではライブについて振り返っていきます。タイトルの『Melody in the Pocket』についても少し考えていきたいと思います。

 

ライブの起承転結

小説でも漫画でも、物語には起承転結という概念があるというのはご存知だと思いますが、ライブにもその起承転結が存在すると思っています。これは以前のアイカツ武道館のレポートでも触れたことですが、今回は個人的な主観による起承転結の4つのポイントでライブを区切って振り返っていきます。

 

『起』

今回で言うところの『起』にあたるのは勿論セットリストの一曲目、つまり『僕らは青空になる』であり、そこから777 SISTERSのMCまでの一連の流れであることは明白かと思います。支配人を自負する方はもうご存知でしょうが、今回のメモリアルライブのキャッチフレーズは『ー青空(ここ)まで、歩いてきた』です。つまりこの武道館という舞台に立った時点でスタートは『青空』なのです。故に一曲目が僕らは青空になるだったのは必然と言えるでしょう。いつもだと『H-A-J-I-M-A-R-I-U-T-A!!』であるところが『僕らは青空になる』となり、そこからお馴染みの『KILL☆ER☆TURN☆R』→『Cocoro☆Magical』という流れは前回の3rdライブとは異なる新しい『スタート』を切っていると言えます(一応この流れ自体は2.5ライブと同じです)。

もうひとつこの『起』で印象的だったのはやはり円陣です。メモリアルライブのキービジュアルにも777 SISTERSのキャラの円陣が描かれていたのですが、ライブ開幕でも演者がこの円陣を組んだままセンターステージからせり上がってきました。モニターに円陣を真上から映したものが映し出されるのも、演者による円陣をより印象的にさせていました。改めて今回のライブが777 SISTERSの、ナナスタのライブであるということが明確になった証でしょうか。

 

『承』

Le☆S☆Caのターンから各ユニットの新曲披露、そしてThe QUEEN of PURPLE(以下QoP)のターンまでがライブの承にあたる部分だと思っています。パート的には非常に長いのですが、Le☆S☆Ca及びQoPは三曲、新ユニットのCi+LUSは二曲一気に披露でしたが、その他のユニットはパート毎に別れ一曲ずつの披露という3rdライブのものに近い構成でした。

まずLe☆S☆Caのパートですが、個人的にはあまり満足のいかないものでした。自分が思うにLe☆S☆Caのコンセプトである「微炭酸青春系ユニット」というものは『YELLOW』『タンポポ』のような清い部分と、『Behind Moon』『トワイライト』のシリアスでビターな部分の両面合わさってこそだと思っているので、今回清い部分を強調した曲であるYELLOWとタンポポを披露しその派生発展系の新曲『ひまわりのストーリー』を歌う流れになっていたのは個人的に勿体ないかなと思っています。勿論ひまわりのストーリーをより強調する為の選曲であったのなら納得がいく部分もあるのでこの部分は読まなくて大丈夫です。

Le☆S☆Caの『ひまわりのストーリー』は収録アルバム『THE STRAIGHT LIGHT』において777 SISTERSの背中を押すという役割を担っているという考察を以前目にしたのですが、(以下リンク先がいい感じに考察してくださっているので一読ください)

http://thuivega.hateblo.jp/entry/2018/07/12/210839

ひまわりのストーリーを一区切りとして、777から派生した各ユニットが新曲を披露していく流れになります。

僕自身ユニットの新曲がCD音源ではあまり刺さっていなさったのですが、ライブの生バンド演奏によって好きになった曲も何曲かあります。とくにCHECK' MATEは生バンドでかなり化けた曲だと思っています。

NI+CORAのCHECK' MATE以降、Ci+LUS→はる☆ジカ→再びNI+CORAという流れになるのですが、ここは見事としか言いようがないものでした。というのも、Ci+LUSはストーリー上NI+CORAに続く正式なナナスタの二人組ユニットということで、NI+CORAの後輩ユニット的立ち位置として密接な関わりがゲーム中で描かれていました。そんなNI+CORAがCi+LUSへ繋ぐ形となっているセットリストには唸るものがあります。はる☆ジカも限定的なユニットですが二人組であり、はる☆ジカの新曲、新衣装によるパフォーマンスに感化されてNI+CORAから再びユニットパート(既存の曲)が始まる流れはうまいなぁと言わざるを得ないものでした。

QoPパートでは未発表だった新曲『Clash!!!』が披露されたのがあまりにも衝撃的でした(現在は配信限定で発売されています。QoPパート直後の特報で情報開示されました)。これはライブに参加した多くの方が同じ気持ちだと思います。新曲もそうなのですが、QoPはガールズバンドの形態を取るユニット故にやはり生バンド演奏が本当に映える良いステージ演出だったとおもいます。

 

『転』

転にあたる部分を挙げるとすれば、誰もが篠田みなみさんがソロで歌った『またあした』を挙げることでしょう。2ndアルバム『Are You Ready 7th TYPES??』において収録され、時間が経って今回初めて披露されたことには大きな意味があると思います。

 

この曲ではあえて“溶け合えない”とか“翔び立てない”っていう言葉を入れているんですけど、要は777☆SISTERSの子たちの進む道は険しいと僕は思っていて。人間が誰かと溶け合ったり、理解し合ったり、一緒に飛び立ったりすることって決して簡単なことではないじゃないですか。彼女たちはこれから大人になっていく上で、その困難なことに対して立ち向かっていかなきゃいけない。まぁこれは人間誰もがという意味なんですが。だからこそ、“またあした”と歌っているこの曲がアルバムの最後に入っていることが祈りになるんじゃないかなって思ったんです。ちょっとキザですけど(笑)。

(音楽ナタリー Tokyo 7th シスターズ
拡大するナナシスの世界
茂木総監督が語るその構想 より引用)

 

切なくどこかシリアスな趣の歌詞とメロディではあるが今までこの曲が示すストーリーや背景、歌われている時系列が曖昧なままだった曲ですが、今回のライブのキャラクター語りによるMCにおいて、ハル役篠田みなみさんの口から「この曲は今まで私ひとりで歌っていた曲」として紹介されます。今まで音楽開設本と吟っておきながら曲の背景やストーリーを語らず作曲者編曲者の裏話を掲載する本を出す等(そういう点を抜きにしてもナナシス音楽大全本は本当に資料価値の高い書籍なので全人類に読んでほしい)、楽曲に関係するストーリーをはぐらかし各支配人の想像に委ねる部分の多かったのが、今回初めて、しかも演者の口からキャラクターの台詞として語られたのです。これはどういう思惑があったにせよ、『またあした』という曲のナナシスのストーリーにおける立ち位置、意味を明示したというのは今回のメモリアルライブないしナナシスのコンテンツ自体に対しての『転』の部分にあたると言っても過言ではないのではないでしょうか。

「わたしひとりで歌っていた曲」を、途中から777のみんなが現れ、そして支配人=観客と共に歌うというシチュエーションに持ち込んだこともまた『転』であると言えます。上記に引用した茂木総監督の言葉を借りれば「777の子達の道のりは険しい」ということですが、それをハル(篠田みなみさん)だけでなく、777のメンバー、そして支配人が一緒に歌うこと、これが今回のメモリアルライブにおける『結』ないし『Melody in the Pocket』の真意に繋がっていくのではないでしょうか。

 

『結』

またあしたのピアノからそのまま今回のライブの表題曲であると言っても過言ではない『スタートライン』へと繋がります。いよいよライブの『結』へと向かっていきます。

スタートラインの歌詞には今回のライブの表題『Melody in the Pocket』と深く結び付くと思われるフレーズがあります。

ありがとうもごめんねも

忘れちゃいないよ 大切にしまったままさ

 

現在(いま)も飛べないままなのは

そのポケットが いっぱいだから

このフレーズに対応していると思われるものが、キャラクターMCで語られました。

『ポケットを空にすればすぐに飛び立てた

でもそれをしなかった ポケットの中身がいっぱいだったから』(意訳)

そしてラストスパートとしてFUNBARE☆RUNNER→STAY☆GOLDが歌われライブは終幕となります。この二曲は系統がよく似ているのですが、歌っていること(歌詞の意図)は微妙に異なります。

いつか誰かの光になるんだ

想いのたけ手渡すように

君とつなぐバトン

どこまでも行けるような気がしてる

見上げれば青と入道雲

と歌うFUNBARE☆RUNNERは『光になること』を目指しているのが読み取れますが、対してのSTAY☆GOLDはどうか。

そもそもStay Goldという英語が『輝き続けろ』という意味を持つものらしく、輝きになるために走るFUNBARE☆RUNNERのアンサーとして位置付けられると思います。

ねぇ 奇跡みたいな僕らはみんな

いつかは消えてしまうけど

ひとつひとつの光が

いつまでも(色褪せない)

黄金のメロディ

誰かの光になること(誰かの背中を推すこと)を目指す少女達がひとつの光になれること、その光が消えてしまってもいつまでも音楽として色褪せず残り続けること、これを示したことでメモリアルライブは終幕となるのです。

 

『Melody in the Pocket』と共に進むナナシスのこれから

ライブのMCで触れられた、『すぐに飛び立てなかったのはポケットの中身がいっぱいだったから』という言葉は僕の心に深く突き刺さっています。『ポケット』の中身というのは間違いなくこれまでナナシスが支配人=ファンと積み上げてきたものです。『飛び立つ』為にはその中身があってはいけないのです。飛び立つ為にはファンと積み上げてきたものを手放すリスクを伴うということではないか、このことはナナシスに限らず多くのコンテンツに対するメタになると思っています。話題の飛躍になりますが、利益を優先するが為にファンの需要やこうあってほしい想いを切り捨ててきたコンテンツはとても多いと思います。それによりコンテンツは発展しても、離れていくファンもいることでしょう。積み上げてきたものを手放して飛び立つというのはそういうことです。

しかしナナシスはそれをしない、積み上げてきたもの=ポケットの中身を手放して飛び立つことをせず、飛び立つのではなくポケットの中身をそのままに青空=このライブにおいては武道館まで『歩いてきた』。支配人=ファンへの感謝と、ファンの想いとともにこれからもナナシスなりに歩いていくというメッセージが強く籠められていた、そんなライブだったのではないでしょうか。それと同時に、ナナシスによる他の乱立する声優コンテンツへの宣戦布告というか『たとえ他がどうあろうとナナシスナナシスであり続ける』という確固たる意志すら感じられると言っても僕は言い過ぎではないと思っています。それに説得力を持たせるだけの熱量が今回のメモリアルライブには存在していました。

 

10月には2daysの4thライブが決定しました。正直早すぎるのではないかという意見も見られ、それには同意するところもあるのですが、今回のライブで指し示したものを再び見せてくれるのであれば何があってもナナシスナナシスのやり方で楽しいものを提供してくれるはずです。ナナシスというコンテンツはこれからもファンと積み上げた『Melody in the Pocket』と共に我が道を突き進んで欲しいものですね。