2020年個人的オタク楽曲10選
大晦日あたりにいつもやってるやつ、今回はぶっちゃけ書かなくていいかなと思ってたけど知り合いのオタクがいい感じにキモい(褒めてる)10選記事を書いていたので、触発される形で書くことにした。去年より更に雑な乱文と化しているがどうか多目に見てほしい。
選考基準はいつも通り年内にFULL音源がリリースされたオタクソング(アニタイ及びそのEP.のカップリング、キャラソン等)から個人的に刺さったお気に入りの楽曲である。順不同。先に謝っておくと、Vの曲は選んでいない。Vのオタクはすまん。
1.エールアンドレスポンス - Mashumairesh!!(CV:遠野ひかる、夏吉ゆうこ、和多田美咲、山根 綺)
ましゅまいれっしゅの楽曲はキミのラプソディーを挙げるオタクが多く見られ、実際意味わからんくらいいい曲なのだが、僕はこちらのほうが思い入れがある。というのも、今年の初めに上京してきて雑に夜テレビでTokyo MXをつけるとSHOW BY ROCK!! ましゅまいれっしゅ!!のCMでこの曲が流れていたのがとても印象的だったからだ。慣れない環境での生活に心が疲弊していたところに、何度もこの曲からエールを貰った。新生活に慣れた今でもこの曲にはいつも活力を貰っている。リリース自体はヒロメネス/キミのラプソディーより後だが、イベントで披露されたのはこの曲が1番最初であり、そういう意味でもましゅまいれっしゅの顔とも言える曲なのでみんな聴いてほしい。
2.Twinkle - スピラ・スピカ
歌詞のオタク文脈が最強すぎる曲その1。ガンダムビルドダイバーズRe:RISEを見てください。
虹ヶ咲の楽曲はアニメ以後の曲の印象が強いがちで悩んだが、今年の圧倒的なパワーを持っていると思うのがこれ。DECO*27の放つポップだがどこか儚さすら感じる音に乗ったかすみんの可愛い声が絶妙なハーモニーでとても良い。ハーモニーつながりだが、カップリングの未来ハーモニーもとても良い曲。
無敵級*ビリーバーは曲単体でもとてもいい曲だがアニメMVの完成度が凄まじく、是非盤で購入してMVを見てほしいところ。せっかくなので、この記事を開いた縁で視聴動画だけでもチェックしてかすみんの可愛さに触れてほしい。
【試聴動画】無敵級*ビリーバー / 中須かすみ(CV.相良茉優)
4.芽ぐみの雨 - やなぎなぎ
文脈ソングその2。『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。完』のopにしてアニメ1期のop『ユキトキ』に繋がる特大感情オタク文脈ソング。やなぎなぎ本人作詞ながら「ずぶ濡れでも きっと誰かには 芽ぐみの雨だった」「本当は全部全部知ってるよ 完全なハッピーエンドなんてない それでも欲しかった 探してた」等のワードチョイスがあまりに渡航すぎて本当に好きすぎる。
5.Shout Baby - 緑黄色社会
アニメくんすぎてこの曲で初めて緑黄色社会知ったんですがめっちゃいいですね。色んなオタクがこの曲を挙げていた気がするので割愛。
6.Theater of Life - 鈴木このみ
鈴木このみは今年新曲リリースラッシュだったが、その中でもひと際刺さったのがこれ。タイアップのアニメ『デカダンス』に非常にリンクした歌詞は力強く前に進む勇気をくれる。
同時期にリリースされたRealizeも好きなのだが、如何せんアニメopとして使われなさ過ぎて思い入れがあまりなかったので惜しくも選出漏れとなった。
7.君の手を離さない - 一柳隊, ルド女選抜, 御台場選抜, 相模女子選抜, ヘルヴォル & 御前
リリースされたのはほんの1週間ほど前だが、9月の舞台アサルトリリィ The Fateful Giftの主題歌として用いられ約4か月程待った曲。9月舞台にほぼ毎日通っていた日々を思い出すこの曲は1番を主人公率いる一柳隊→2番を仲間のレギオン→Cメロを黒幕サイドが歌い曲中にドラマチックな展開があるのがおすすめポイント。
圧倒的俊竜力(ぢから)を持つEdle Lilieと迷ったが、Edle Lilieはアニ〇ン派!とかいう明らかに癒着の温床のような作曲家陣の選考に選ばれていて萎えてしまったのでこうなった。
8.正解不正解 - CIVILIAN
「正解不正解 可能不可能 全てはこの手の中」←この無限すぎる歌詞は?
あまりにも痛快で、あまりにも爽快で、あまりにも豪快なこのザ・アニメソングが本当に好きすぎる。
9.NEO SKY, NEO MAP! - 虹ヶ咲学園スクールアイドル同好
「今年のアニソンで一番『いい曲』って何?」と聞かれたら僕は即この曲を挙げる。ピアノの1音目から様々な音が重なっていくイントロ、重なる9人のボーカル、「さあこれからは それぞれの地図 広げたら気軽に飛び出そう」等のどこまでも前向きでどこか切なくなる歌詞、すべてが聴いていて気持ちいい。
10.HATENA - PENGUIN RESEARCH
何の為に泣いたんだ?
何の為に捨てたんだ?
問いかけ続けなきゃ
僕の意味って何ですか?
どうやって生きてくんだっけ?
どうしたって生きてくんだよな
戦え!僕を辞めないように
いつか 僕を愛せるように
あとがき
順不同とは書いたが、今年でMVPを挙げるとすれば最後に記述したHATENAとNEO SKY. NEO MAP!になるだろうか。今年は色々あったが、とはあえて書かない。来年も良質なアニメ及びオタクソングに出会えることを祈るばかりである。
『俯瞰』と『投影』の2つの視点からアニメ虹ヶ咲を考える
TVアニメ「ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会」が最終回を迎えた。本当に素晴らしいアニメーションであったと思う。これまで僕はTwitterではアニメ虹ヶ咲のことを「萌え〜!!!」などのその場での一過性の感情吐露しかしてこなかった。しかし、それではあまりにもこの素晴らしいアニメーション及びこのアニメーションに関わった全ての方々に申し訳ない気持ちしかない。という訳で、久々の僕の記事はアニメ虹ヶ咲の感想を述べながら物語を考察していくことにする。
高咲侑という視聴者=オタクの分身
アニメ虹ヶ咲の物語を考える上でまず考えなければいけないのが『高咲侑』というキャラのことだ。高咲侑は虹ヶ咲がアニメ化するにあたって既に先行展開していたラブライブ!スクールアイドルフェスティバルALL STARS(以下スクスタ)におけるプレイヤーの分身、通称「あなたちゃん」の代替キャラとして登場した。あなたちゃんはスクスタにおいて声がなく地の文と最低限の台詞を読む所謂ギャルゲーの主人公のような存在である。要はアニメ版あなたちゃん=侑は視聴者の分身ということになる。
ところが、僕のTwitterのTLにおいてこんな意見が散見されていた。
「高咲侑とかいうキャラ、あまりにも萌えキャラになってて俺らの分身として見るには難があるだろ。」
なるほど、一理ある。オタクは萌えキャラではない、当然だ。侑は自分の大好きな物を語る際猛烈な早口になってしまうオタクによくある性質を持っているが、侑は普通に美少女でオタクは美少女ではないので侑=オタク(ここでいうオタクは一視聴者を指す蔑称)にはなり得ない。物凄く頷いてしまった。
高咲侑はあなたちゃんと同じプレイヤーの分身という立ち位置で配役されてはいるが、個のキャラクターが思った以上に立ってしまっている。ここで、別の視点を用いることができる。それは、侑をあなたちゃんのように視聴者自身を投影する視点ではない、キャラの誰にも投影せずあたかもその世界の神のような視点。物語を『俯瞰』する視点だ。
俯瞰の視点で高咲侑とスクールアイドル同好会の物語を見る
作品を俯瞰する視点は皆さんも普段よく用いているのではないだろうか。僕自身もアニメを見るときは大体この視点だし、アニメ虹ヶ咲も初見では侑自身を投影することはなかったので、自然とそうなった。
高咲侑に自身を投影しない場合、当たり前だが彼女は登場人物の一人となり、視聴者は彼女らスクールアイドル同好会の行く末を見守ることとなる。優木せつ菜のCHASE!に刺激を受けスクールアイドル同好会の門を叩く侑の姿も、上原歩夢に自身の夢を打ち明ける侑も、挿入歌『夢がここからはじまるよ』から同好会みんなのメッセージを受け取った侑が最後に音楽科の編入試験を受ける姿も、あくまで登場人物の一人の姿として見るということ。
俯瞰の視点は自然とキャラ達について満遍なく思考することができる。同好会の各キャラの当番回、特に5〜8話は侑が直接その回の当番となるキャラにアプローチをすることがなく、自然と俯瞰で見ることになるだろう。ここでの当番回とされる回は各1話で独立して完結する構成となっていて(想いを表情に出せない天王寺璃奈がボードという手段を確立するのも、桜坂しずくが自分自身の内面と向き合い迷いを振り切るのも、その1話で完結する)、一キャラに集中してフォーカスすることで自然と当番のキャラに愛着が湧くように作られているのが見事である。実際僕も回を追うごとに虹ヶ咲のキャラ達がどんどん好きになっていった。物語全体が動いていく10話以降はそれまでの1話完結の構成から一転して、クライマックスまで地続きのシリアス展開になっていく。11話で上原歩夢が突然侑を押し倒した真意も歩夢自身の心情も次の12話にならないと明かされない。12話で侑と歩夢それぞれの特大本質感情暴露特大女性夢約束展開の後はシリアスは一旦打ち止めとなり、13話で目標だったスクールアイドルフェスティバルを開催。途中雨で中断され、止む頃には客はみんな帰ってしまったかと思えばみんな待っていて、最後のライブでスクールアイドルからファンへの、そして侑への感謝とエールを届けられ、侑は夢へと一歩踏み出して感動のエンディングへーーーーー。俯瞰の視点で見た我々は、サクセスストーリーの新たな一歩を踏み出した侑の姿に、EDテーマのNEO SKY, NEO MAP!があたかも侑が編入試験でピアノ演奏しているかのような感覚をおぼえながら、カタルシスを得るのだ。嗚呼、侑ちゃん、本当に、よかったね、、、、、
高咲侑に自身を投影する見方
では、前述したもう一つの「高咲侑に自身を投影する」見方を考えていく。侑の視点になるということはスクスタのあなたちゃんとほぼ同じ視点、さらに言えばギャルゲーの主人公に近い視点となる。とは言っても、というか先に言ってしまうとアニメ虹ヶ咲はギャルゲーのような主人公が各女の子を攻略していくような展開にはならない。前述したように、侑が直接関わらなくても自己の葛藤を解決させてしまう子が何人かいるからだ。
物語を動かす『三女神』
逆に、侑が直接働きかけることで自己の葛藤を解決させるキャラも存在する。それは
・上原歩夢
・優木せつ菜
・中須かすみ
の三人である。この三人は物語の本筋を動かす役目も担っているため、仰々しいが『三女神』と呼称する。
上原歩夢が物語のキーマンの一人なのは明白だろう。始まりの第1話、第11〜12話での侑とのやりとりも、13話でステージへ向かって侑の手を引くのも、最早ギャルゲーの正ヒロインであるかのような風格である。
優木せつ菜も自身の当番回は勿論、10話で「侑の夢を応援させてほしい」という意思表示、11、12話での歩夢との絡みなどが本筋と大きく関わってくる。せつ菜が歩夢に「始まったのなら、貫くのみです!」と言わなければ物語がバッドエンドになっていた可能性があるので、そういった意味でも女神である。しかし歩夢に一歩踏み出すきっかけ作りをしたり13話での扱いなどを見ると「今回はルートに入らなかったが原作ゲームでは攻略可能なヒロイン」感が強い、気がする。
中須かすみはヒロイン感の強い前述の二人とは若干立ち位置が異なる、それでいて何かしらの言動、行動が物語を動かす、そんな役割を感じた。侑に助言される=フラグが立つ前から同好会復活のために表札を奪還しようと生徒会室に忍び込むほどの行動力があるため、とてもイレギュラーである(褒めている)。とはいえ、序盤から侑に懐いているところや、それでいて13話で「かっ、かすみんだって先輩のために色々してあげるんですからね!」と発言していることから侑に表立った好意を持っていることから、アニメにおけるヒロインの要素は十分に持ち合わせていると言える。きっと攻略対象だろう。そもそもかすみのように「口が立つ」タイプのキャラは自然と展開を動かすのに重用されがちである。まあ璃奈のような口数の少ないキャラよりは適任だというのは素人目でもわかることであるが。
アニメ虹ヶ咲は上原歩夢ルートというよりオーラスエンディングルート
ここまで三人のヒロインという概念を考えてきたが、アニメ虹ヶ咲はこの中のどのヒロインのルートでもなく、泣きゲー系のギャルゲーとかにありがちな最後に攻略可能ルート、オーラスエンディングのルートに近い。終盤で歩夢がガッツリ関わってくるものの別に歩夢と結ばれるわけではない。スクールアイドルフェスティバルに尽力した侑が最後には同好会のみんなからの感謝と夢への一歩を踏み出すためのエールが込められた「夢がここからはじまるよ」を聴いたことで勇気をもらう展開はグランドエンディングのそれである。しかもその曲は、12話で歩夢の前で「曲作りをしてみようと思ったんだけど」とピアノで弾いてみせた曲と同じイントロのメロディで...
ギャルゲーないしそれに準ずるアドベンチャーゲームにおいて最後のオーラスエンディングに到達した時は自然と満足感に浸るものである。それは最後まで読み切ったという達成感からくるものもあるが、一番のところはシナリオ自体が物語を締め括るに相応しいものであることが大きいだろう。アニメ虹ヶ咲はどうかとなると、侑=自分自身が作曲していた曲に仲間が自分に勇気を与える為の歌詞をつけて大観衆の前で歌うという展開、計り知れない満足感で満たされることだろう。
『10人目』高咲侑というキャラクターのバランス
僕がここまでで挙げた『俯瞰』と『投影』はあくまで僕の個人的見解によるものであるし、他にも色んな見方があっていいと思う。それだけの見方に自由度が高いのも、高咲侑のキャラクター性によるものが大きい。自分自身を侑として見ず、物語の登場人物の一人として見ることができるよう特徴的に個性付けがされている。が、個性を強くし過ぎないことで視聴者が投影できる余地を持たせている、という絶妙なバランスがとても良い。また、侑の声を演じる矢野妃菜喜(敬称略)の声も、侑というキャラにバランスを与えている。
この記事において矢野妃菜喜は「スクールアイドルではないので、あまり可愛くならないように、少し少年ぽくなるようには意識していました。「なんでスクールアイドルにならないんだろう」って思わせない声にするというか。」と述べているが、侑がスクールアイドルにならないことを視聴者に意識させる為の声が結果的に「スクールアイドルになるほどの強い個性はなく、それでいて没個性になり過ぎないキャラクター性」をとても見事なバランスで演じきっていたと感じた。ここまで想定されてキャスティングされていたとしたら、さすがに頭が下がる。
一キャラクターとして虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会の10人目のメンバーとして見ることもオタクの投影にもなる高咲侑のこの絶妙なバランスは、転じて「グループの10人目はファン」というコンセプトを代々継承してきたラブライブ!シリーズにおける一つの完成した形なのではないかと思うのは少し軽率だろうか。
まとめ
ほとんど高咲侑のことばかり書くことになってしまったので次は他のキャラのこととか書きたいです、時間があれば。
舞台アサルトリリィを観劇しての雑感
前置き
9月某日、何を思い立ったか僕はある声優イベントへ足を運ぶ決意をした。声優イベントという定義を如何とするかは人それぞれだが、僕自身が声優イベントだと思って行った最後のイベントから約2年程立っていた。2年という空白は長い。正直、もう行くこともないだろうとすら思っていた時もあった。
そんな僕が重い腰を上げて参加に踏み切ったのが『舞台 アサルトリリィ The Fateful Gift』だった。ちょっとした興味本位だった。それまでタイトルを電車の広告やTVCMで見た程度の知識しかなかったのだが、メインキャストのひとりに『SHOW BY ROCK!! ましゅまいれっしゅ!!』で前々から気になっていた夏吉ゆうこさんがいるということで一目姿を見てみたい、という動機。それだけ。配信で見るのもアリだが、たまたま仕事休みだったのでどうせなら生で見るかと現地のチケットを購入。今思えばここまで軽い動機でよくぞ現地に赴こうと判断するに至ったものだ。
結果は見ての通り。ハマった。
完全に好きになった。その後も足を運び現地5公演配信2回計7公演通う程には。9ヶ月半ぶりにはてなブログにオタク稚拙文章を書き殴ろうと思い至る程には、ハマった。
何故ここまでハマったか、正直のところよくわからない。だが、ひとつ挙げるなら
作品の熱量に押された、ということだろうか。
ということでこの作品こと『舞台 アサルトリリィ The Fateful Gift』(以下アサルトリリィTFG及びTFG)の熱量がどれほどのものだったのか、作品全体や役者の演技、物語の考察などを自分が書ける限り小学校の読書感想文のように書き綴っていく。下に行くほど「舞台見てる前提」の文が多くなっていくので悪しからず。
ちなみに「アサルトリリィとはなんぞや?」的なコンテンツ自体の説明は
めんどくせぇからやらん。
マジで説明しようとすると説明しなければならないことがあまりにも多すぎるので。でもこの後でキャラがどうとかみたいな文はめっちゃ書く。知らんやつは自分でググってくれ。令和の時代は情報社会だ。欲しい情報は己の手で掴み取れ。
舞台全体の雑感
一番ふわっとした感想から述べていく。僕自身アサルトリリィのアの字も知らない状態で舞台に赴いたわけで、さらに言えば『今回の舞台に前日譚がある』ことさえ知らなかった。そう、アサルトリリィTFGは舞台版の第二作目、『舞台アサルトリリィ League of Garden(以下アサルトリリィLoG及びLoG)』の続編なのだ。TFGでは開演5分前に前作LoGの簡単なダイジェストが流れた後に本編がスタートする。僕はそこで「えっ、これ続編なの!?」とひっくり返った。や、そこくらいは知っとけよと我ながら呆れる。ところが、アサルトリリィTFGは前作を一ミリも知らない僕をいとも簡単に虜にした。何故?
舞台は、あまりにもシンプルにアサルトリリィの世界観が可視化されていた。とてもわかりやすい。2時間という短い尺に(なんならどういう世界設定なのかという点は開始1分程度で主人公たちがバトルしながらハイスピードに説明する)要点だけスピードラーニングのように世界観の情報が流れ込んでくるわけだが、まあわかりやすい。人類の脅威である生命体、ヒュージに対抗できるのは決戦兵器CHARMを操れるリリィのみで何故かリリィはお嬢様学校みたいな組織に所属してる、なにこれ?でも何故だかすんなり飲み込める。オタクが好きそうな要素てんこ盛りなのが100週くらい回って気持ちいい。
説明を極力廃して(前作を見ている前提で作っているからかもしれないが)(一応二水が説明を行わうパートもあるが)いるからその分登場人物の人間ドラマに尺が割けるわけだが、この作品、登場人物が多い。総勢25人。まあ多い。そして登場人物それぞれが他のキャラに対して因縁を持っている。それもかなり拗れた因縁を持ったキャラも多い。これはとてもひとつの話としてまとめるのは難しそうだが、アサルトリリィの舞台においては、キャラの簡単な掛け合いで因縁を仄めかす程度にとどめることで風呂敷を広げすぎず、主役コンビの梨璃と夢結の百合カップルを本筋に置いてストーリーが進行していく。これは純粋に上手いと思ったし、サブキャラクターの因縁をあえて深く描かないことで世界観に広がりを与えていると感じた。現に因縁を持つサブキャラクターたちのスピンオフ舞台も展開中である。そういった一見ややこしそうな世界観でありながら本筋は非常にシンプルで、舞台がひとつの作品として綺麗にまとまっていたという点が、僕が初見でも楽しめた要因のひとつではないかと思う。
そういった奥深いながらもシンプルなシナリオでありつつも、舞台演出はとにかく派手でわかりやすかったのが好印象であった。特に演者の殺陣。女の子がデカい武器を持って化け物と戦うというシチュエーションが素直にオタク心をくすぐる上に、アサルトリリィの舞台は演者たちがとびっきりハッタリの効いた大振りの剣戟をするのだ、好きにならない訳がない。また、作中における殺陣は人対人はほどんどなく基本的にヒュージという不特定多数のモンスターを相手に行っているのだが、プロジェクションによってモニターや壁にヒュージの全容が映し出されたりエフェクトが発生したりするので演者が何と戦っているのかとてもわかりやすい。特に、ギガント級と呼ばれるヒュージと相対する際、ノインヴェルト戦術というゴレンジャーの合体技みたいなことをして倒そうとするのだが、ギガント級もそれなりにデカいのが伝わってくる演出をする(ステージ~客席にまたがるようにプロジェクションされる等)のでノインヴェルト戦術に説得力が生まれている所に舞台演出スタッフのセンスが感じられる。モニターや壁以外にも床にエフェクトが映し出されるのも見事で、特にクライマックスのノインヴェルト戦術中に武器を地面に引き摺った時に火花のようなエフェクトが映し出されたのがカッコよかった。人対人の殺陣もかなりカッコよく、特に燈vs御前やラストの一柳隊vs御前のバトルは演者の迫真の演技も相まってここだけでも何度でも見たいと思える程であった。
キャラ、キャストに対しての雑感
ひとりひとりにコメントするとあまりにも長くなりすぎるので学校、レギオンの区切りで一部割愛して述べていく。
一柳隊
主人公の梨璃演じる赤尾ひかる(以下敬称略)は特徴的なアニメ声だと前々から認知していたが、予想以上に叫び演技等が安定していて驚いた。声がかわいらしいながらも覇気があり、座長としての風格を感じた。
お姉様である夢結は演じるのがモクである夏吉ゆうこであるためやや贔屓目に書くが、キャラ自身の能力とメンタルの脆さからくる不安定さを全力で演じているという印象だった。1公演1公演に魂をすり減らしているかのような迫力にどこまでも夢中にさせられた。
初見の演者が多い中で別イベで何度か見た井澤美香子や高橋花林が活躍しているのを見るのはどことなくエモーショナルさがあった。この二人に関してはあまりにもはまり役すぎて安心して見れるという印象。初見の演者で特に印象に残ったのは鶴紗演じる紡木吏佐の演技。基本的にクールなキャラであるがクライマックスで感情を独白しながらレアスキルを発動するシーンにおいては公演を重ねる度に熱量を増していたのがとても良かった。
ルド女
スピンオフ舞台を経ている為か非常に安定した演技をしているなと感じたのが幸恵演じる中村裕香里、百合亜演じる梅原サエリの両名か。また、今回が舞台初らしい来夢役の宮瀬玲奈の演技も公演度に熱量が高まっていて、微笑ましく思えた。キャラとしては狂言回し的ポジションの琴陽が印象的だった。復讐に燃えるキャラが好きがちなのでね。
御台場、相模
船田姉妹のインパクトが強烈すぎた。姉妹ともに狂乱して戦うルナティックトランサー使いということだが気の強そうな妹よりおしとやかっぽい姉のほうが気性が荒いというの、かなり好み。クライマックスのノインヴェルト戦術で姉妹が互いの銃弾を弾き返しながら戦闘するシーンが「これやる意味あるんか?w」等と思いつつもカッコいいので好きなシーン。
ヘルヴォル
顔の良い女しかおらんのかこのチームは。
???
燈vs御前があまりにもカッコよすぎる。御前役の佃井皆美は手足が長くキックや殺陣がとても映える印象。
簡易考察(とは名ばかりの思考の掃き溜め)
シナリオについて考える上で僕が切り離せないと思ったのがopテーマ曲『君の手を離さない』の1フレーズ「強く誓ったんだ 焼き付いた記憶がこの手を鈍らせたって」という所(耳コピなので違ったらすまん)。
op歌唱パートでは落ちサビ前のこのフレーズを夢結がソロで歌うところがあり、それが今作舞台における夢結の「先輩をこの手にかけたかもしれない過去」や「シュッツエンゲルの契りを交わした際に誓った決意」とあまりにもダブる。夢結が過去と向き合っていくこと、そこに梨璃がどう寄り添っていくのかが本編の核である故、この前述の1フレーズが強く脳裏に刻まれている。また、ヘルヴォルのメンバーがクライマックスのノインヴェルト戦術で独白している所や船田姉妹が過去語りするパートで連想できるが「リリィは暗い過去を秘めているが、今を必死に戦っている」という登場人物ほぼ全員に共通したテーマがあることがわかる。そのテーマにも「強く誓ったんだ~」の一連の歌詞がリンクしているとも読み取れる。
『君の手を離さない』はop以外に挿入歌としてクライマックスのクライマックスに音源が流されるが、流れるタイミングが「夢結が覚醒して御前の攻撃を受け止める」タイミングからスタートして最後の「君の手を離さない」の部分で梨璃と夢結が手を繋いで暗転し、エピローグに繋がる。
あとがき
終始一貫性がないまま後書きに至る。相変わらずどころかさらに輪をかけて稚拙な文章に相成ったが、アサルトリリィTFGから得られたほとばしるような熱をせめて何かしらの形に残したいと思ったが為に書き殴ったものであるため、ご理解の程よろしくといったところ。
アサルトリリィというコンテンツはこれからアニメ、ソシャゲとマルチメディアに展開していくようだが、僕自身も今回の連日の舞台観劇で得られた熱をコンテンツの展開に合わせて少しでも広げていきたいと思う。アサルトリリィは、間違いなくそうするだけの価値があるコンテンツに違いないから。
2019年個人的オタク楽曲10選
風俗レポートではありません。年末恒例のオタクがTwitterでよくやってるアレです。
2019年、マジでアニメしか見てないしオタク曲10曲も選べるようなのあったっけ?ってなったけれどとりあえずピックアップしてみた。いつもみたいにitunesの再生回数で決めようかと思ったけれど7月にパソコン買い換えて再生回数リセットされたので全く参考にならなかったので記憶と自身のTwitterの過去ツイを遡りながら適当に。去年に比べかなり内容薄いので流しで読んでもらえると。
1.KODO nonoc
「 魔法少女特殊戦あすかって2019年のアニメだったのか・・・・・。2018年7月くらいだと思ってた」とツイ掘り返してそんな気持ちになってた。中沢伴行作編曲は同じクールでとある魔術の禁書目録Ⅲのopである黒崎真音のROARがあったがこっちのほうが好きだった。
2019年春ごろ一世を風靡したSign(シグン)。2019年爆踊り枠。カップリングのCandy Flavorのほうが旧来の内田彩っぽくて好みだったのだがやっぱりSign(シグン)は強かった。2020年も引き続き女性声優ソング環境に残り続けるであろう。
3.Never Give It Up!! Study
ぼくたちは勉強ができないの楽曲はどれも往年のそれっぽいギャルゲー感ある曲ばかりなのですが、その中でもI've感強い(というか中沢伴行作曲だが)この曲を今年は何度も聞いていた。楽曲派はA面のセイシュンゼミナールのほうを推していたこともあってか、斜に構えてこっち。
4.starting the case: Rail Zeppelin 梶浦由記
最近珍しくなったインスト曲の主題歌。曲が短いので延々とリピートしてた。演歌しかしらないおばあちゃんでも一発でわかる梶浦節が本当に耳に残る。
5.from the edge FictionJunction feat. LiSA
梶浦枠その2。紅蓮華よりこっち派。一番だけだと普通のアニソンって感じなのでフルサイズ聴いて梶浦っぽさを感じてほしい一曲。
6.よいまちカンターレ コーロまちカド (小原好美, 鬼頭明里, 高橋未奈美, 高柳知葉)
ガイジがwwwwwwwww
7.EXPOSE 'Burn out!!!' RAISE A SUILEN
gorendahkがバンドリアンチであることはあまりにも有名だがアンチな僕でも死ぬほど聞いた曲。
8.TEMPEST 石原夏織
石原夏織ちゃん、ついにソロデビュー初のアニタイだ!!!」つって楽しみにしてたらALI PROJECTの聖少女領域の間奏みたいな音とかKOTOKOのCollectiveみたいなサビだったり宮崎羽衣のKURENAI感あったりなんか懐かしい曲になってしまったのマジでなんなんだよ。
9.glory days 春奈るな
音源より映画館で死ぬほど聴いた曲。死ぬほど聴いたのに毎回到達してしまう曲。歌詞の文脈がズルい系楽曲。やっぱり、今年は、冴えない彼女の育てかた Fine、なんだよね。
10.Glow at the Velocity of Light 安月名莉子
今期アニメの満足度とタイアップの良さを総合して今年一番を挙げるならこれ、といったかんじ。安月名莉子は伸びると去年の記事で予言してたら現実になった。
去年よりはるかに省エネで書いたアレですがここまで読んでいただきありがとうございました。正直惰性で書いたのでマジでおもんないと思うけれど、来年も素敵なアニメとオタクソングに出会いたいですな。ではでは。
『至らなかった』男の備忘録
※この文章には性的描写が多分に含まれています。18歳未満の方及び性的描写が苦手な方はブラウザバック推奨です。
この世には二種類の人間がいる。それは『勝者』と『敗者』の二通りだ。これを読んでいるあなたはどちらだろうか?スポーツ、或いはゲーム、なんらかの競技に限った話ではない。そう、『人生』、若しくは『男と女』。この世のあらゆる事象には勝敗の概念が存在する。
閑話休題。
結論から述べると、俺は『負けた』。何に?サッカー?バスケ?違う。俺はスポーツを嗜まない。ゲーム?それも違う。ゲームに負けたくらいでわざわざこんな場で文章を綴ろうとは毛頭思わない。
少し遡る。
※ ※ ※
「フルさんって童貞なんですか?」
俺の精神を完膚なきまでにズタボロに引きちぎる発言をしたのは俺の職場の後輩(彼女持ち)(結構イケメン)(マーベル映画が好き)。定期的に行われる飲み会での出来事だ。こういったやりとりはよくある話であるがため、俺は使い古された定型文のような返事をする。
「やかましいわバカタレ笑」
「彼女もできないなら、風俗行くしかないっすよ!」
出たよ、『風俗』。ここで俺の脳裏に過るのはTwitterのどうしようもないオタク達。その頃、というか現在進行形で『オタクの風俗体験レポート』が俺のTwitterのTLに跳梁跋扈している。そこには、あるものはそこで童貞を卒業し、あるものはイケずに失意の底に陥れられる。散々見てきたことだ。
「や、でも風俗はいいよ。思ってるほどハードル高くないと思う。」
横から口を挟む先輩。『むっつりスケベ』という日本語をそのまま体現したかのような風貌、顔面の持ち主である。先輩は現在独身彼女絶賛募集中だがそういった経験は豊富のようだ。
「先輩までそんなことを・・・・・。」
「何事も経験だって~。大丈夫大丈夫。」
基本的に先輩は無責任な発言をライン工場のように簡単に量産する。本当に胡散臭い。
「実際風俗行くとして、いろんなタイプのお店があるじゃないですか。初めてならどういうのがいいんすかね?」
「人にもよると思うけど、俺はどうせ金出すなら本番までできるソー〇がいいと思う。ピン〇ロとかだと抜いてもらうだけだし、ムラムラして終わるの嫌じゃん。」
「確かに。」
「2万くらいあれば簡単に童〇卒業できるんじゃない?」
「2万・・・・・高いっすね・・・・・」
2万は大金だ。当時俺は休みの日には関東に遠征して声優やアイドルのイベントに行く『オタク』だったから。2万あれば地元と東京を簡単に往復できるからだ。
「〇貞捨てれるなら安いよ。」
それはそうだ。俺が成人し社会に出てひとつ学んだことがある。それは『時間をお金で買う』ということ。俺がこれまで何年もかけて成し遂げられなかった行為を、2万出せば簡単にできるのだ。あまりにもコストパフォーマンスが高い。そう思うと少し乗り気になってきた訳で・・・・・
「じゃあ先輩今度一緒に行きましょうよ。」
「え、なんで笑 ひとりで行ってきなよ笑」
先輩は本当に無責任な人間だ。正直ぶん殴ってやろうかとすら思ったが俺も大人なのでふと沸き上がった怒りの感情を急速冷却した。
そんなこんなで、その後は特に風俗の話に発展することもなく仕事の愚痴や上司の悪口等で程々にヒートアップしつつ、程々の時間にお開きとなったのであった。
※ ※ ※
そして時は戻り、肌寒いある晴れた日のこと。魔法以上の愉快が限りなく降り注ぐということもない平凡な休日。
「行くか。ソー〇に。」
思い立ったのは突然だった。理由は自分でもよくわからない。ふと思い立ったから、という言葉で簡単に解決できるほどに曖昧な、とてもふわっとした動機だった。とりあえずそういうお店のウェブサイト群を軽くGoogleでチェックする。
「なるほど・・・・・大体どこも金額は大差なさそうだな。」
奇しくも地元は近隣地方の中でもそういった店が無数に列挙する所謂歓楽街的なものが存在する。それらの中から昼営業している店、自分の好みの女の子がいそうな店、料金設定をざっと見て回る。正直、よくわからない。
『風俗嬢の写メは参考にならない。』
どこからか伝え聞いた文言だ。確かに、現在の写真加工技術はめざましいものを感じる。Twitter等のSNSで散々見てきた。あるオタクは言っていた。『風俗ガチャ』と。なるほどガチャとはよく言ったものだ。ならば、いつまでもウェブサイトと永遠に決着のつかないにらめっこを続けているより、行動に移したほうがいい。
そう思ったら行動は早かった。先ずは軍資金の確保。昨日部屋を掃除していた時に発掘した金目になりそうなものをかき集める。それをら〇んばんに投げつける。それなりの金額になった。念のためもう少し多めに現金をATMから下す。準備は整った。後は『一歩踏み出す』勇気。
「すいません、13時から利用したいのですが・・・・・」
この電話一本をお店に入れるのに俺がどれだけ勇気を振り絞ったことか。
人生は常に『一歩踏み出す』瞬間の連続である。『踏み出す』のにはとても勇気が必要。BPM160をゆうに超える速度で脈打つ鼓動に耐え切れそうになくなる。それでも、『今』なんだと言い聞かせ電話をかける。大袈裟に思うだろうが、それだけのハードルがこの電話予約にはあった。
「ありがとうございます。希望される女の子はいますか?」
電話の声の主は男性だったが、優しく対応する。その優しさたるや寒い冬の日に食べる温かいクリームシチューのよう。緊張が少し解れた気がした。が、出勤している女の子の顔を覚えていなかった俺は
「あっ、あっ、あのっ、お店着いてから決めてもいいですか?」
本当に情けない返事をする。それでも社会人かよ。ガキが。それでも案内のお兄さんは
「大丈夫ですよ、お待ちしておりますね。」
淡々と、しかし優しく応対する。こういう客に慣れているのだろう。とても嬉しかった。俺にゲイの気質があったなら一撃で惚れていたことだろう。聖人とはまさにこの人のことを指すのだ、そう錯覚するほどに。
お店までの道のりはとても険しく長い道程のように感じた。徒歩15分ほどしか歩かないはずなのに、見慣れた景色のはずなのに、なんの変哲もない市街の道のはずなのに、まるでそこが異世界であるかのような感覚が俺を襲った。今から俺は魔王の城にでも赴くのかと。やがて10分ほど歩いたところで、10分というにはあまりにも長く感じる道程を歩いたところで、それらしき店が辺りに立ち並ぶ『歓楽街』のエリアに辿り着いた。
「・・・・・とりあえずリラックスしないとな。音楽聴きながら歩こう。」
ipodを取り出し、いつも聴いているプレイリストを立ち上げ適当に音楽を流す。橋本みゆきの『未来ノスタルジア』が流れる。とてもいい曲だ。何十回と聴いたかわからない曲がほんの少しだけ俺の心の緊張を解く。が、
「これよく考えたらエロゲの曲じゃん・・・・・」
と、少し気恥しくなる。次にランダムで再生されたのは川田まみのIMMORAL。これもエロゲの曲。俺はipodをしまうことにした。
店の前に辿り着く。真昼間にもかかわらず銀色に煌々と輝く入り口。正直、緊張してなくても入りにくいと思う。が、立ち止まっていても仕方がないので、再び勇気を振り絞りドアに手をかける。
「いらっしゃいませ。先ほどお電話くださった方ですね。」
入り口で電話の声の主と思わしき男性と遭遇する。声に違わぬ温和な印象。とてもいい人そうだという電話での感覚は嘘ではなかった。
「本日はどのコースにされますか?」
一番短いコースは40分で14000円。これに指名料が2000円付く。
「40分はさすがに短いか・・・・・どうせなら60分にするか。」
「それでしたらそちらの券売機で券の購入をお願いします。」
60分コース19000円+指名料2000円によるセットコース21000円の文字の書かれた券売機のボタンを押す。デジャブを感じる券売機。俺はどこかでこれを見たことがある。そう、『ラーメン二郎』である。だが、二郎の券売機より明らかにゼロの桁が多い。ここで改めて俺は自分の知らない別世界へ来てしまったのだと意識してしまい、委縮してしまう。
「それではこちらの待合室でお待ちください。」
あまりにもヤニの匂いで充満してそうなロビーに通される。実際はそこまでヤニ臭くなかったが。俺の他にも、30代くらいの雰囲気若そうな眼鏡の男と初老の男が座っている。
「(昼間から来てるやつ、やっぱいるんだな・・・・・)」
彼らはまるで人生2週目であるかのような強キャラじみた謎の風格を身に纏っていた。それでいて完全に自分の世界に没入していそうな、他人を寄せ付けないオーラ。それまで行ったオタク現場ではとても見たことのない『圧』に気圧される。
とりあえず空いたソファーに座る。隣の本棚には『ミナミの帝王』『ドラゴンヘッド』等の漫画が並んでいる。なるほど雰囲気が出ている。俺は雰囲気に呑まれないようスマホを取り出しプリンセスコネクト!Re:Diveを起動。あらかじめ消音にしていたので店内に「プリンセスコネクト!!!Re:Dive!!!」のタイトルコールが鳴り響くことはない。スタミナ消化を早々に終えてしまい虚無になる。そうしているうちに隣の眼鏡の人生2週目男が呼ばれカーテンの奥に消えていく。
「次は俺だ・・・・・」
そう思うと鼓動がまた早く脈打つ。爪を切りながら自分の番号が呼ばれるのを待つ。自分の整理番号があたかも囚人番号であるかのような恐怖にも似た感覚と必死で向き合いながら・・・・・
「25番さん、どうぞ。」
俺の番号が呼ばれる。いよいよだ。もうなるようになれ。破れかぶれにも似た自分を鼓舞するための言葉を心の奥で呟きいざカーテンの奥へ。
※ ※ ※
「こんにちは~!今日はよろしくお願いしま~す!」
嬢が出迎える。如何にもギャルといった風貌の女性。スレンダーが売りというだけあって美脚が遠目でもわかるが、自分よりは背は低いようだ。
「あっ、あっ、お願いします。」
緊張で声が上ずる。
「部屋は一番上なんで、階段で上がりましょっか」
「は、はい」
「ここ建物古いから階段急でしょ?しんどくない?」
「や、普段から階段上ってるからそんなに苦じゃないですよ」
「え、すご~い」
よくわからない会話をしながら部屋まで向かう。嬢は関西出身なのか関西弁だがそこまでキツくない口調で喋る。
「ここが部屋です。それじゃよろしくお願いします」
「こ、こちらこそ」
小さいベッドと、お風呂がある謎の空間に来た。お風呂の横にはそういうビデオで見たことのある”あのマット”が置いてある。
「あの、とりあえずどうしたらいいですか?」
「あはは、緊張してるね~とりあえず上着もらうね」
上着を脱がせてもらい、ベッドに座って所謂ピロートークが始まる。
「どうしよ、めっちゃ緊張してる・・・・・」
「あはは、そんなに固まらなくていいよ~」
そんな感じで話し出す。嬢の不思議と話しやすい雰囲気から、こちらも意識せずとも言葉が口から紡がれる。
「いろはすのぶどう、美味しい~」
嬢はそう言いながらミネラルウォーターを口にする。なかなか蠱惑的な様である。
「わかるなぁ」
「飲んだことある?」
「うん、梨が一番好きだけどね」
「わかるなぁ~みかんは微妙だったよね」
そんな他愛のない話をしつつ
「俺、今日こういうの初めてでめっちゃ緊張してる」
「えっ、そうなんだ~結構話してくれるからそうは見えなかった。緊張しすぎて1時間全く喋らず終わる人とか結構いるからね。」
「えっ、それ勿体なくない?w」
「だよね~笑」
女性と話すスキルが欠如している人ということだろうか。なんにせよ自分はまだマシな部類らしい。アイドルやコンカフェ店員と普段から会話していて本当に良かった。
「それじゃ服脱いで、お風呂いこっか。」
そう言う頃には嬢はもう服を脱いでいて、下着も外していた。いつの間に。
「あっ、はい。」
不思議と服を脱ぐ時には緊張は多少マシになっていた。
「初めての風俗でソー〇来るの、なかなかハードじゃない?笑」
「それはそうなんだけど、どうせお金払うなら最後までできるほうがいいかなって思って」
「なるほど、確かにね~」
服を脱ぐと、嬢が体を洗ってくれる。自分の体を誰かに洗ってもらうのっていつぶりなんだろう、そう考えていると自分の体にそれまで経験したことのない『柔らかさ』が襲う。これは何だ。
「うっ・・・・・」
変な声が漏れてしまう。嬢が俺の睾〇を洗っているのだ。どうやら自分はここが敏感らしい、この時点ではそう思った。
「次はムスコさんを洗いますね~」
「えっ、うわっ」
また変な声を漏らす。これもまた自分の知り得ない快感。
「えっ、めっちゃ気持ちいいな」
「気持ちよくなってもらわないとね~」
嬢はそういいながら今度は背中を洗う。タオルや手とは違う明らかに柔らかい『何か』で擦られている。自分からは見えないが想像するには容易かった。
だが、この時点で俺の心には違和感のようなものが芽生えていた。そんなはずはない、そう自分に言い聞かせていると、嬢に浴槽に浸かるよう指示される。
「ベッドプレイとマットプレイが選べるんだけれど、どっちにする?」
嬢が提案してくる。聞くところによると嬢はマットプレイにおいては店内で右に出るものはいないほどの達人≪テクニシャン≫とのこと。ならば解答(こたえ)は一つ。
「マットプレイでお願いします。」
「初めてのソー〇でマットはすごいね~今日は初体験ばっかりじゃん!」
「どうせなら、ね」
「ローションは好き?まあ9割の男性は好きって答えるんだけれど」
「じゃあ、きっと好きだw」
「だよね~笑」
「じゃあ今日は、いろんな『初めて』を体験して帰ってね・・・・・」
ヌルヌルになったマットにうつ伏せに寝かしつけられると、嬢はそう言って体を動かし始める。最初は嬢の体の柔らかい部分が何度も当たっているのを感じた。そうしているうちに、『ある音』が聞こえてくるようになる。何かを吸引するような、エロゲやそういうビデオで散々聞いた、『あの音』が。
「ん、じゅる、んじゅる、じゅっ・・・・・!!!」
「!!!」
「んちゅっ、じゅるっ、んじゅっ・・・・・!!!」
「うわっ!」
声が出る。とても情けない、他人に聞かせたくないとてもみっともない声が。最初は背中だけだったが、やがて嬢の指と口は俺の汚い部分を侵略する。
「じゅぽっ・・・・・んちゅっ、んじゅるっ・・・・・!気持ちいい?」
「うん・・・・・」
「えへへ・・・・・じゃあ、ゆっくり仰向けになって」
その時、俺はまたも嫌な予感がした。先ほどの違和感に似た予感。信じたくなかったのだが、予感は的中した。
「ありゃ~〇ってないね~」
「ごめん・・・・・」
「謝ることじゃないよ、緊張してるのかな?」
「多分・・・・・」
「最初はそんなもんだよ、でも〇〇ないと入れられないからね」
「わかってる・・・・・」
「じゃあ『元気』にしてあげるね・・・・・?」
再び嬢が動く。色々な場所を責められる。胸、腹、そしてアレも。
「ぐっ・・・・・!」
「んちゅっ、じゅるっ・・・・・乳首、感じてる?」
「多分・・・・・うっ!」
快楽が襲ってくる。とても刺激的で、しかし温かい快楽が。
「あっ、元気になってきたね♡」
自分でも視認できるほどそれは大ききなっていた。よかった。今までの悪い予感は杞憂だったんだ。嬢はすかさず手〇キの態勢に入る。
「ぐっ、自分でするより全然気持ちいい・・・・・!」
「そりゃそうでしょ笑」
嬢は笑いながらも手〇キを続ける。そしてすかさずフェ〇チオをする。
「んんっ、じゅぽっ、んじゅるっ、じゅっ・・・・・!!!」
「ぐっ・・・・・!」
これがフェ〇チオ・・・・・!すごいなこれ。余談だが数日前プレイしたエロゲのヒロインのフェ〇のイベントCGがめちゃ好きだったので実際されて嬉しかった。
しかし何故だろう。気持ちいいのに、自分ですることでは味わえない快楽に溺れているはずなのに、あの感覚が充足してこない。そう、男性器を刺激されることでそこに集束されるはずの『射精感』が。
「んじゃ、挿れるね・・・・・?」
嬢はいつはめたんだ?と思うくらいあっという間に俺の男性器にゴムを装着し、自身の秘部に俺のアレを入れる。
「うぉっ、暖かい・・・・・」
暖かい。それが第一印象。これが人の『温もり』なのだと。
「はあっ・・・・んっ・・・・・あんっ・・・・・」
嬢は淫靡な声を上げながら腰を動かす。俺も興奮してきて、そのまま・・・・・
しかし・・・・
「あ~っ!!!」
笑い声交じりの変な声を上げたのは嬢の方だった。何があったのか俺はすぐに理解した。
そう、『中折れ』したのだ。情けないことに。本当に、本当に情けなくみっともないことに。
「ごめん・・・・・」
「気にしないで~、もしかして感じるの遅いほう?」
「そうかも・・・・・一人でやっても時間かかることたまにあるんだよね・・・・・」
「そっか、でもここは時間が決まってるから・・・・・」
「そうだよな・・・・・」
「もうちょっとやってみようか。シックスナインって知ってる?」
「それってどういう・・・・・」
「お互いに嘗めるの」
「よし、それやってみよう」
嬢はすかさず俺の顔に尻を向け、男性器を嘗め始める。
「んっ・・・・・指は入れちゃだめだよ」
そういうプレイはサービスにないらしい。嘗めていいと言われたので俺は嬢の例の部分を嘗め始める。手が今まで手持無沙汰だったので嬢の尻を揉みしだきながら。
「んっ、あんっ・・・・・大きくなってきたよ・・・・・♡」
「よしっ・・・・・」
「じゃあまた挿れるよ・・・・・」
ふたたび嬢の温もりがくる。挿入感というものだろうか、これは本当に気持ちがいい。だが、どうしても・・・・・
「ああっ、ダメだ・・・・・」
今度は俺の方から声が出る。何故だ。嬢はこんなにも頑張ってくれているのに。
無情にも電話の音が部屋中に鳴り響く。北欧神話の終焉を告げるギャラルホルンの音のように響くその音は、夢のようで確かに『現実』をつきつけた60分の終わりを確かに俺に伝えるのであった。
※ ※ ※
「そんなに落ち込まなくていいよ~!初めての人でイケない人って半分以上いるよ?それで2、3回来てイケるようになった人とか、全然合わない人とかもいるからね!」
嬢のフォローしながらもまたのご来店をお待ちしていますという営業魂を婉曲的に感じられる言葉がけがとても胸に沁みる。イケなかったけれど、それでも今日遊んでくれた嬢への心からの感謝の言葉をかける。
「ありがとう、楽しかったです。」
楽しかったという気持ちに嘘偽りはない。俺はそう言ってカーテンをくぐり、入り口の優しいお兄さんの「ありがとうございました」の声に会釈し、店を後にした。
正直、嬢自体に興奮しなかったのだと思う。緊張はとうにほぐれていたのだから。もう少し胸が大きい嬢を指名しておけば、マットじゃなくてベッドでしておけばよかったのでは、などの後悔にも似た念が脳内をグルグル回る。人間の身体のことなので相性というものもあるだろう。自分を正当化する為の言い訳じみたロジックを脳裏に展開させながら近くの松屋のカレーを食べていた。今日の松屋のカレーはいつもより苦いな。なんでだろうな。
※ ※ ※
前述したとおり、俺は『敗者』となった。シンプルにイケれば『勝ち』、イケなければ『負け』という単純な、そして一体誰と勝負しているのかわからない勝負に『負けた』。それだけ。俺は情けない負け犬なのだ。俺はここから這い上がれるのだろうか?嬢の言葉を思い出す。2、3回と通えば或いは、と。それはリベンジだ。一度『負け』たってまた這い上がれる。俺の心が本当に『負け』てしまわなければ何度だって挑戦できる。風俗も、人生も。
「リベンジ、すっかなぁ。」
沈みゆく夕陽を眺めながらボソッとそう呟いた。
あとがき
というわけで、gorendahkの人生初のソー〇レポでした。久々のブログ更新がよりにもよって風俗体験を元にしたラノベ風怪文書になるとは思わなかったでしょ?僕自身思わなかったしソー〇でイケてたらこれ書くつもりなかったです。まあ何事も経験だなと痛感したので今度はもうちょいムラムラが溜まってから行こうかなと思います。
ラストはこの怪文書を読んでくれた童貞オタクくんたちが「失敗を恐れない」ように希望を持ってもらいたくてああいうかんじで締めました。
遊んでくれた嬢のり〇んちゃん、本当にありがとうございました。リベンジの機会があるなら是非させてください。またオタクグッズ売って錬金できたらお店行きますね。
ここまで長い間お付き合いいただきありがとうございました。次回の更新は未定ですが年内にはもうひとつアホな文書こうと思ってます。言うだけならタダなんで、ね。
顔面dアニメストアなオタクみんなに観てほしい映画『HELLO WORLD』の感想諸々
皆様お久しぶりです。せっかくはてなブログをやってるので映画のレビュー的なやつをやりたいなと思ってなかなかタイピングが進まずかれこれ半年くらい経ちました。本当はアベンジャーズ/エンドゲームを見たタイミングでマーベル映画のレビュー的なやつをやりたいと思ってたんですが知識不足とモチベの関係で諦めましたごめんなさい気が乗ったらまたやるかもしれませんゆるりとお待ちください。
前置きが長くなりました。今回は現在公開中の映画『HELLO WORLD』が思った以上に顔面dアニメストア人の僕に刺さるものだったので久々に自分が感じたことをアウトプットしていこうと思います。
そもそも『HELLO WORLD』とはなんぞや?
完全劇場オリジナルアニメーションです。なのでいきなり劇場に押しかけるのが手っ取り早いです。押しかけるっていってもオラついて突破入場せず入場券買いましょう。上映時間が1時間30分程度のアニメ映画にありがちな「尺不足的なアレでイマイチ設定が飲み込めずに終わった」みたいなことは多分人によっては感じるかもしれませんが、そこは上映後にパンフレットを購入して読んだりwik〇〇ediaとかで補完しちゃってください。僕も初見よくわかんないとこあったので後述するスピンオフ小説『HELLO WORLD if』読むまでは某ウィキなんたら読んでました。
主人公が今いる世界は仮想現実だみたいな顔面dアニメストアオタクたちには聞き馴染みがありすぎる設定かもしれませんが、まあ見てるうちに引き込まれると思うので気になる人は公式サイトを見てください(投げやり)。
物語の本質はSFのうんたらかんたらより(そちらも大事かも知れないが)どちらかというと主人公とヒロインの恋物語です。今時チープすぎるやろとも思うんですが今年大ヒットした『天気の子』も主人公とヒロインの一途な恋物語でしたしね。多分オリジナルアニメ映画界はそういう流れがあるんでしょうと勝手に納得しています。
要は『未来からきた自分が「カノジョが死ぬから助けてよ」つって助けに来た』っていうあらすじなわけです(詳しくは公式サイトで見てください)。つってもこの後色々話が動いていくのでこの限りではないわけですが。
原作小説的なやつも発売してるんですが、本編を補完する意味合いで読むものなので映画見て気になったら購入する感じがよさそうです。
あと、スピンオフ小説も公開と同時に発売してるんですが、これは見た後に読むと色々腑に落ちるというか本編が色々とわかりやすくなるので是非読んでほしいです。というかHELLO WORLDは「本編映画1800円+スピンオフ小説700円」の課金が最低限必要だと思ってるくらいにはこの本は大事だと思ってます。本編ではサブキャラだった女の子が主役のお話ですが、本編の説明不足な部分を補完する所が多いので映画を見た後は是非読んでほしい。というか本編とリンクする部分があまりにも多く、これをスピンオフとするか否かがわりと怪しいラインだと思ってるくらいには本編補完書籍だと思ってるので必読(ステマ)
HELLO WORLD if ー勘解由小路三鈴は世界で最初の失恋をするー (ダッシュエックス文庫)
- 作者: 伊瀬ネキセ,映画『HELLO WORLD」,堀口悠紀子
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2019/09/20
- メディア: 文庫
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テレビでよく見る俳優が声優やってるけど、演技大丈夫なん?
ぶっちゃけ下手だなあとは全く思いませんでした。松坂桃李のキャラが叫ぶとこはもうちょい声量あったら映えるだろうなぁと思うとこもあったんですが誤差の範囲です。
正直メディアでも大きく取り上げられるような大衆向けアニメ映画(今作はかなりオタク向けだと思ったが)でプロの声優が起用されるとなると知名度の高い声優ばかり起用されて「こいつ他のアニメと同じ声じゃん」という印象を抱きかねないので僕としてはこのキャスティングで正解だと思います。普段TVアニメで聴き馴染んだ声が劇場でも聴くとなるとメリハリつかなくて個人的に嫌なんですよねなんか。声優さんを否定してるわけではないんですけど、俳優が話題性込みで声優をやるのが間違ってるっていう風潮も好きじゃないというか。
まあ演技に関しては声豚目線でも及第点かなと思いますし子安武人さんとか寿美菜子さんとかベテランの声優さんも多く出演しているので満足できるかなと思います。
観ていない人向けの文章はこれくらいにして、以下感想を書き殴る箇所になるので未見の方はこのあたりでブラウザバック推奨します。
ネタバレ感想
キャラ毎の雑感
主人公(堅書直実)
最近のオリジナルアニメ映画にありがちな陰キャ+本の虫キャラだなぁと思ってたら意外と順応性あって熱血漢で後半からは無双しててマジでなんなんだよとなるのは尺の関係かなぁ。まあ後述の未来の自分(先生)との対比も兼ねてか真っ直ぐな人物として最後まで描かれてるから変にセカイ系アニメ(死語)の主人公あるあるのナヨナヨがほとんどなかったのは好感触だった。やっぱり90分ストレスフリーに観たいからね映画は。トゥルーエンドの世界でいつまでも幸せに生きていてほしい。
ヒロイン(一行瑠璃)
萌え~~~~~~~~~~~~~!!!!!!!!!!!!!!!!!!
マジモンの萌え。今年のアニメヒロインアワードをやるとしたら間違いなく最多の賞を受賞するであろう『萌え』の権化。というか上映中「萌え...」ってボソッと声出ちゃったもんマジで。第一印象あずにゃんのパチモンとか思ってすまんのホンマ。
ヒロインの心象描写、メインヒロインにしてはやけに少ないけど尺の関係なんかなぁと思ってわりと最後のほうまでモヤモヤしてたんだけれど、ラストシーンで理解した。これはお前の物語だったんやとFFXのジェクトのような気持ちになった。言い換えるなら『まどマギのコネクトが実はほむら視点の歌詞だった』みたいな腑に落ち方。それがラストシーンにあった。全く設定の説明がなかったからポカーンとしたけれども。そういう意味では真の主人公は一行さんなのかもね。
先生(カタガキナオミ)
実質のヒロインお前なんじゃね...?となってしまった。ラストに先生が救われてEndなわけだし。この作品には明確に悪役という存在がなくて、強いて言うなら先生が裏で色々やってるけれど悪というわけではないんだよなぁ。主人公にずっと付き添って修行やアドバイスしたり、2027年の一行さんの記憶を2037年に持ってきて「あなたは堅書さんじゃない」って言い放たれてるのはそれはそうってなったしその後の展開も自業自得となったけれど最後には一行さんに救いの言葉をかけてもらって堅書くんをかばう展開はベタだけど大好きだし最後の最後で本当に救われたからもう一人の主人公ポジションというよりはヒロインっぽいなと感じた。
先生の心象描写はスピンオフ小説でも結構書かれてて読むと本編での理解が深まるので必読(ステマ)
勘解由小路三鈴
本編で陽キャな女の子として一行さんに絡んでるけど絶対こいつ経験人数15人は超えてるよな...と思って観てたけれどスピンオフ小説でガラッと印象が変わった。というかマジでいい娘すぎる。本編見てて「えっ、なんか急に出番なくなったんだけどマジでなんなんだよ」と少しでも思ったならスピンオフ小説『HELLO WORLD if』を読んだほうがいい。
物語全体の雑感
・仮想世界では落雷で死んだのは一行さんだけれど実際に死んだのは堅書くん、となっていて何故カタガキナオミがあそこまで執着していたのかの描写が少なかったから少しモヤモヤがあった。
・一行さんが萌え。
・子安の声の博士が仮想世界の開闢がどうのとか言ってたけど、現実世界の一行さんはそれも織り込み済みだったのか否か謎だった。
・一行さんが萌え。
・登場人物が基本的に主人公、ヒロイン、未来の自分の三人だけなので感情移入しやすくSF設定の重厚さに反してストレスフリーに鑑賞できた。
・一行さんが萌え。
・グラフィニカ製作の3DCGはCG特有の迫力と近未来感を感じさせつつもアニメが元来持つ親しみ、二次元感といったものを併せ持っているのが本当にすばらしいし、『楽園追放』からさらに進化発展を遂げているなという印象。
・一行さんが萌え。
まとめ
近未来の京都を3DCGアニメーションで描きSF要素もモリモリ盛り込みつつも日本のわびさびくらい貴重な文化である『萌え』も全面に押し出してくる姿勢が伝わってくるいい作品だなという印象。メインヒロインの一行さんに萌えられるかどうかがこの作品の評価になると思いますが、僕自身が一行さんが2019年アニメキャラの中でトップクラスの萌え旋風を巻き起こしていると感じているので何も心配することはありません。みんな、映画『HELLO WORLD』を観に行きましょう。
4/30小泉ようが外部ライブにソロで出た時の雑感
導入
今回は久々にイベントレポートっぽいことを書きました。イベンター辞めたんですけどね。そのイベントというのが4/30に渋谷チェルシーホテルで開催された『平成最後のエモ歌ライブ』とかいうめっちゃ安直な名前のライブなんですが、これに弊推しであり過去に記事にも書いた小泉ようちゃんが所属しているユニットであるディア☆ではなく、ソロで出演するというのです。ソロで外部出演(ディアステージ主催のイベントなので身内感はありますが)するのはこれが初めてだそうで(アニディアのオープニングアクトはノーカンなのだろうか)、これは行くしかないとなり平成最後の日に渋谷のアングラなフィールドに足を踏み入れたgorendaHK。
今回は小泉よう(敬称略)とそれ以外の演者の感想で分けて書いています。小泉ようは三番手だったのですがこの記事の趣旨が推しメンを褒めちぎることなので最後に書いています。悪しからず。
推しメン以外の演者の雑感
初手は戸波のわさんという人。顔がわりと好み。昨年参加した松岡ななせ1stライブにもコーラスとキーボードで参加していたので覚えていました。歌初めて聴いたんですけどいい感じに上手いなぁと。開幕ダイアモンドクレバス/May'nを選曲するあたり「平成のエモ歌」のライブに来たのだなぁと実感できるスタート。その後2曲続けて昔バントしてた時のオリジナル曲を披露したのですが、結構強い曲だったので気に入りました。後終演後の特典会でオタク達がみんなひざまづいていたのが印象的でした。
二番手は愛野えりさん。このブログでもアイカツ!の歌唱担当の人として何度か出させていただいている名前。えりさんはオリジナル曲が好きなのですが今回は封印して輪舞-revolution等の一世を風靡したアニソン中心のセトリ。歌の上手さが折り紙つきなのと的確に自分の世代のアニソンを歌ってくるのでいい感じに高まれる楽しい時間でした。
三番手は後述するとして、四番手に星咲花那さん(以下おかな)。この人もアイカツ!が縁の人。見かけるのは去年のバースデーライブ以来なのですが、相変わらず説得力ある歌を歌う人だなぁという印象。キズナSparkling Worldは神。おかな自身が平成を代表する曲として創聖のアクエリオン/AKINOとプラネット・クレイドル/千菅春香を挙げていて、「(知名度が)両極端やな~w」とひとりで唸っていました。
五番手には寺島由芙さん。去年の聖なるディアステージぶりに見ました。これまでの演者とうってかわって歌う曲全てオリジナル曲という構成。平成最後というコンセプトなのにどこか往年の昭和テイストを感じて別の意味でエモくなりました。
トリに元妄想キャリブレーションの桜野羽咲さん。推しメンには申し訳ないけれど、ここがこのイベント一番の多動ゾーンでした。歌えばそこに君がいるから/鈴木このみやWishful☆Garnet/黒崎真音など、多動になれてかつ歌詞もエモい選曲はナイスだしただのカバーに収まらないパフォーマンス力は本当に魅力的だなぁとクネクネ動きながら感じました。オリジナル曲もめっちゃ強かった。
小泉ようソロの雑感
ここからが本題。持ち時間のなかで彼女が披露したのは
1.ガーネット/奥華子
2.メテオライト/オリジナル
3.キスのひとつで/佐咲紗花
4.Sincerely/TRUE
5.春風 SHUN PU/豊崎愛生
の全5曲。本人が「自分がこれでなら戦えると思える曲」たちだそうで。何気に次に歌うおかなより1曲枠が多いのすごくない?とライブ終わってから感じました。1~2曲目の間。3~4、4~5曲目の間にふわっとした感じのMCが入ります。普段ディア☆のライブなどでははきはきとしゃべって回す感じのMCをする印象なので、緊張してるのかなぁというのがなんとなく感じられて微笑ましかったです(ここでめちゃくちゃ気持ち悪いオタクスマイルになっている)。
1曲目のガーネットは最初声がビフラートとかじゃない震えがなんとなく伝わってきたので、アウェー感からかやっぱり緊張が伝わってきたのですが、一番サビくらいからそこまで気にならなくなって『歌を聴かせるパフォーマンス』ができあがっていてばっちり箱全体を掴めていました。てか1曲目に全人類が知っているのではないか説があるくらいの平成の名曲ガーネットを掴みとして選曲するセンス、そしてそれを自分の歌として勝負に持ってくる心意気、本当に頭が下がる気持ち...そういうとこだぞ推しメン。
2曲目のオリジナル曲メテオライトは散々このブログでも紹介して僕のTwitterでも聴け聴けと壊れたテープレコーダーのように宣伝している曲なので説明は不要かと思いますが、一応過去の記事を引用しておきます。
過去記事でも触れたのですが、メテオライトは本人の歌唱力表現力の成長に伴って「歌われる度に進化する」曲です。スーパーサイヤ人みたいな楽曲なんですよ。平成最後のメテオライトはその進化の到達点というか、平成最後という節目に相応しいレベルに仕上がっていたと思います。僕自身そこまで頻繁に聴いているわけではないのですが少なくとも最後に聴いたときよりさらに高音の安定感が増しているように感じましたし、常連のディアメンのみなさんも大体褒めてたので間違いないでしょう。メテオライトだけでチケ代回収できたといっても過言ではありません。
3曲目はメテオライトから間髪いれずキスのひとつで。今回のセトリで唯一アップテンポな曲で、メテオライトがミディアムバラードなこともあって急激なアゲに脳の処理が追い付かず変な声が出てしまいました。小泉ようはkemuの音が好きなので最近ちょくちょく店舗で歌っているイメージだったのですが、5曲のなかで唯一の「高まらせる枠」として選曲したのは正直意外でした。まあ僕自身大好きな曲なのでなんら問題はありません。まだ春ですが夏の終わりに伝えそびれた幾つもの言葉や想いはねえ不思議なものでキスのひとつで敵わない魔法にかかったみたいになってしまいましたね。
4曲目はSincerely。数日前の店舗イベで歌っていたので今回歌ったのはこれも意外でした。それだけ本人が気に入ってるのかもしれません。この曲もめちゃくちゃエモいミディアムバラードなわけですが、僕自身TRUEの曲を聴くと身体が自分の意志に反して動き出す奇病を患っているので高まり地蔵という矛盾した存在になり果てる始末となりまりた。TRUEと小泉ようの声はだいぶ違うのですが、小泉ようが歌うことで曲に違った色が着くのがとてもよく、SIncerelyもその感覚が心地よかったです。
締めは春風 SHUN PU。昔から結構な頻度で歌ってる曲なのでトリに持ってきたのかなというのと歌詞が小泉ようの在り方(過去記事参照)とよくマッチしているからという面からの選曲でしょうか。実際小泉ようの歌唱スタイルによく合った曲であるし、本家の豊崎愛生の声とはまた違った聴き方ができたので、とてもよい締めだなぁという気持ち。ギャルゲーのオーラスEDテーマを聴いている時みたいな心地よさがありました。
総括
最近の自分にしては珍しくイベント後の余韻を引きずっているので、この日の為にとても入念に準備をしてきたことへの労いも兼ねて今回ここで自分の感想をアウトプットする運びとなりました。まあまあダラダラ長く書きましたが、要約すると「やっぱり小泉ようだな~」という感情です。またこういった形等でソロでイベント出演することがあれば重い腰を上げて参加したいですね。
小泉ようはゴールデンウィーク中はディア☆のメンバーとしても秋葉原ディアステージのキャストとしても稼働が多いので、会いに行こうかなって思った人はどんどん会いに行きましょう。僕も小泉も喜びます。