フルメモ

怪文書置き場です

舞台アサルトリリィを観劇しての雑感

前置き

9月某日、何を思い立ったか僕はある声優イベントへ足を運ぶ決意をした。声優イベントという定義を如何とするかは人それぞれだが、僕自身が声優イベントだと思って行った最後のイベントから約2年程立っていた。2年という空白は長い。正直、もう行くこともないだろうとすら思っていた時もあった。

そんな僕が重い腰を上げて参加に踏み切ったのが『舞台 アサルトリリィ The Fateful Gift』だった。ちょっとした興味本位だった。それまでタイトルを電車の広告やTVCMで見た程度の知識しかなかったのだが、メインキャストのひとりに『SHOW BY ROCK!! ましゅまいれっしゅ!!』で前々から気になっていた夏吉ゆうこさんがいるということで一目姿を見てみたい、という動機。それだけ。配信で見るのもアリだが、たまたま仕事休みだったのでどうせなら生で見るかと現地のチケットを購入。今思えばここまで軽い動機でよくぞ現地に赴こうと判断するに至ったものだ。

結果は見ての通り。ハマった
完全に好きになった。その後も足を運び現地5公演配信2回計7公演通う程には。9ヶ月半ぶりにはてなブログにオタク稚拙文章を書き殴ろうと思い至る程には、ハマった。
何故ここまでハマったか、正直のところよくわからない。だが、ひとつ挙げるなら
作品の熱量に押された、ということだろうか。

ということでこの作品こと『舞台 アサルトリリィ The Fateful Gift』(以下アサルトリリィTFG及びTFG)の熱量がどれほどのものだったのか、作品全体や役者の演技、物語の考察などを自分が書ける限り小学校の読書感想文のように書き綴っていく。下に行くほど「舞台見てる前提」の文が多くなっていくので悪しからず。

ちなみに「アサルトリリィとはなんぞや?」的なコンテンツ自体の説明は
めんどくせぇからやらん。
マジで説明しようとすると説明しなければならないことがあまりにも多すぎるので。でもこの後でキャラがどうとかみたいな文はめっちゃ書く。知らんやつは自分でググってくれ。令和の時代は情報社会だ。欲しい情報は己の手で掴み取れ。

舞台全体の雑感

一番ふわっとした感想から述べていく。僕自身アサルトリリィのアの字も知らない状態で舞台に赴いたわけで、さらに言えば『今回の舞台に前日譚がある』ことさえ知らなかった。そう、アサルトリリィTFGは舞台版の第二作目、『舞台アサルトリリィ League of Garden(以下アサルトリリィLoG及びLoG)』の続編なのだ。TFGでは開演5分前に前作LoGの簡単なダイジェストが流れた後に本編がスタートする。僕はそこで「えっ、これ続編なの!?」とひっくり返った。や、そこくらいは知っとけよと我ながら呆れる。ところが、アサルトリリィTFGは前作を一ミリも知らない僕をいとも簡単に虜にした。何故?
舞台は、あまりにもシンプルにアサルトリリィの世界観が可視化されていた。とてもわかりやすい。2時間という短い尺に(なんならどういう世界設定なのかという点は開始1分程度で主人公たちがバトルしながらハイスピードに説明する)要点だけスピードラーニングのように世界観の情報が流れ込んでくるわけだが、まあわかりやすい。人類の脅威である生命体、ヒュージに対抗できるのは決戦兵器CHARMを操れるリリィのみで何故かリリィはお嬢様学校みたいな組織に所属してる、なにこれ?でも何故だかすんなり飲み込める。オタクが好きそうな要素てんこ盛りなのが100週くらい回って気持ちいい。
説明を極力廃して(前作を見ている前提で作っているからかもしれないが)(一応二水が説明を行わうパートもあるが)いるからその分登場人物の人間ドラマに尺が割けるわけだが、この作品、登場人物が多い。総勢25人。まあ多い。そして登場人物それぞれが他のキャラに対して因縁を持っている。それもかなり拗れた因縁を持ったキャラも多い。これはとてもひとつの話としてまとめるのは難しそうだが、アサルトリリィの舞台においては、キャラの簡単な掛け合いで因縁を仄めかす程度にとどめることで風呂敷を広げすぎず、主役コンビの梨璃と夢結の百合カップルを本筋に置いてストーリーが進行していく。これは純粋に上手いと思ったし、サブキャラクターの因縁をあえて深く描かないことで世界観に広がりを与えていると感じた。現に因縁を持つサブキャラクターたちのスピンオフ舞台も展開中である。そういった一見ややこしそうな世界観でありながら本筋は非常にシンプルで、舞台がひとつの作品として綺麗にまとまっていたという点が、僕が初見でも楽しめた要因のひとつではないかと思う。
そういった奥深いながらもシンプルなシナリオでありつつも、舞台演出はとにかく派手でわかりやすかったのが好印象であった。特に演者の殺陣。女の子がデカい武器を持って化け物と戦うというシチュエーションが素直にオタク心をくすぐる上に、アサルトリリィの舞台は演者たちがとびっきりハッタリの効いた大振りの剣戟をするのだ、好きにならない訳がない。また、作中における殺陣は人対人はほどんどなく基本的にヒュージという不特定多数のモンスターを相手に行っているのだが、プロジェクションによってモニターや壁にヒュージの全容が映し出されたりエフェクトが発生したりするので演者が何と戦っているのかとてもわかりやすい。特に、ギガント級と呼ばれるヒュージと相対する際、ノインヴェルト戦術というゴレンジャーの合体技みたいなことをして倒そうとするのだが、ギガント級もそれなりにデカいのが伝わってくる演出をする(ステージ~客席にまたがるようにプロジェクションされる等)のでノインヴェルト戦術に説得力が生まれている所に舞台演出スタッフのセンスが感じられる。モニターや壁以外にも床にエフェクトが映し出されるのも見事で、特にクライマックスのノインヴェルト戦術中に武器を地面に引き摺った時に火花のようなエフェクトが映し出されたのがカッコよかった。人対人の殺陣もかなりカッコよく、特に燈vs御前やラストの一柳隊vs御前のバトルは演者の迫真の演技も相まってここだけでも何度でも見たいと思える程であった。

キャラ、キャストに対しての雑感

ひとりひとりにコメントするとあまりにも長くなりすぎるので学校、レギオンの区切りで一部割愛して述べていく。

一柳隊
主人公の梨璃演じる赤尾ひかる(以下敬称略)は特徴的なアニメ声だと前々から認知していたが、予想以上に叫び演技等が安定していて驚いた。声がかわいらしいながらも覇気があり、座長としての風格を感じた。
お姉様である夢結は演じるのがモクである夏吉ゆうこであるためやや贔屓目に書くが、キャラ自身の能力とメンタルの脆さからくる不安定さを全力で演じているという印象だった。1公演1公演に魂をすり減らしているかのような迫力にどこまでも夢中にさせられた。
初見の演者が多い中で別イベで何度か見た井澤美香子高橋花林が活躍しているのを見るのはどことなくエモーショナルさがあった。この二人に関してはあまりにもはまり役すぎて安心して見れるという印象。初見の演者で特に印象に残ったのは鶴紗演じる紡木吏佐の演技。基本的にクールなキャラであるがクライマックスで感情を独白しながらレアスキルを発動するシーンにおいては公演を重ねる度に熱量を増していたのがとても良かった。

ルド女
スピンオフ舞台を経ている為か非常に安定した演技をしているなと感じたのが幸恵演じる中村裕香里、百合亜演じる梅原サエリの両名か。また、今回が舞台初らしい来夢役の宮瀬玲奈の演技も公演度に熱量が高まっていて、微笑ましく思えた。キャラとしては狂言回し的ポジションの琴陽が印象的だった。復讐に燃えるキャラが好きがちなのでね。

御台場、相模
船田姉妹のインパクトが強烈すぎた。姉妹ともに狂乱して戦うルナティックトランサー使いということだが気の強そうな妹よりおしとやかっぽい姉のほうが気性が荒いというの、かなり好み。クライマックスのノインヴェルト戦術で姉妹が互いの銃弾を弾き返しながら戦闘するシーンが「これやる意味あるんか?w」等と思いつつもカッコいいので好きなシーン。

ヘルヴォル
顔の良い女しかおらんのかこのチームは。

???
燈vs御前があまりにもカッコよすぎる。御前役の佃井皆美は手足が長くキックや殺陣がとても映える印象。

簡易考察(とは名ばかりの思考の掃き溜め)

シナリオについて考える上で僕が切り離せないと思ったのがopテーマ曲『君の手を離さない』の1フレーズ「強く誓ったんだ 焼き付いた記憶がこの手を鈍らせたって」という所(耳コピなので違ったらすまん)。
op歌唱パートでは落ちサビ前のこのフレーズを夢結がソロで歌うところがあり、それが今作舞台における夢結の「先輩をこの手にかけたかもしれない過去」や「シュッツエンゲルの契りを交わした際に誓った決意」とあまりにもダブる。夢結が過去と向き合っていくこと、そこに梨璃がどう寄り添っていくのかが本編の核である故、この前述の1フレーズが強く脳裏に刻まれている。また、ヘルヴォルのメンバーがクライマックスのノインヴェルト戦術で独白している所や船田姉妹が過去語りするパートで連想できるが「リリィは暗い過去を秘めているが、今を必死に戦っている」という登場人物ほぼ全員に共通したテーマがあることがわかる。そのテーマにも「強く誓ったんだ~」の一連の歌詞がリンクしているとも読み取れる。
『君の手を離さない』はop以外に挿入歌としてクライマックスのクライマックスに音源が流されるが、流れるタイミングが「夢結が覚醒して御前の攻撃を受け止める」タイミングからスタートして最後の「君の手を離さない」の部分で梨璃と夢結が手を繋いで暗転し、エピローグに繋がる。


あとがき

終始一貫性がないまま後書きに至る。相変わらずどころかさらに輪をかけて稚拙な文章に相成ったが、アサルトリリィTFGから得られたほとばしるような熱をせめて何かしらの形に残したいと思ったが為に書き殴ったものであるため、ご理解の程よろしくといったところ。
アサルトリリィというコンテンツはこれからアニメ、ソシャゲとマルチメディアに展開していくようだが、僕自身も今回の連日の舞台観劇で得られた熱をコンテンツの展開に合わせて少しでも広げていきたいと思う。アサルトリリィは、間違いなくそうするだけの価値があるコンテンツに違いないから。